九州ベストドレーン協同組合は、地下水位制御システム「FOEAS(フォアス)」の導入に伴う工事(ベストドレーン工法)を行っています。
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地下水位システム「FOEAS」営農に関するチェックリスト

No 項目 知らない場合の対処法
1 従来の暗渠とFOEASの違いを知っている。 従来の暗渠は湿害を防ぐことを主目的としており、水位を制御する機能を持っていませんが、FOEASは予め設定した地下水位及び湛水位を維持することができます。
2 FOEASの営農上のメリットを知っている。 水稲栽培時では
①無代かき移植や乾田直播が可能
②全面均一な土壌水分
③栽培時期に応じた適切な水位管理
④カドミ対策が容易
⑤掛け流し潅漑の防止 など

畑作時では
①湿害の回避、作物の安定生産
②水田としての機能の維持
③地力の維持
④連作障害の回避
⑤地表灌漑に伴う被害の回避 など

3 節水効果があることを知っている。 水位制御器の内筒からオーバーフローしない程度に給水バルブの開度を調節することで掛け流しを防止できます。また、水位管理器を使用すれば、設定水位になると取水を停止することができます。
4 FOEAS施工後の維持管理方法を知っている。 FOEASは地表部の構造物である給水桝(給水バルブと地下給水孔、洗浄孔)、水位制御器、水位管理器、地下構造物の幹線パイプ、支線パイプ、補助孔で構成されています。
5 幹線パイプ及び支線パイプの維持管理方法を知っている。 FOEAS独自の配管レイアウトによって、長期間安定した地下水位制御を可能とするシステムですが、圃場の地下に敷設された管路を洗浄することで、より長期にわたり初期の性能を維持することができます。
6 排水性が悪化してきた場合の対処方法を知っている。 補助孔は過度の代かきや雨後などで土壌水分率が高いときに耕起や均平作業を行うと不透水層が形成されて、期待した機能を損失します。トラクタに弾丸付きのサブソイラーを付け、30cmで牽引して亀裂を入れ圃場を乾かして下さい。
7 設定した地下水位まで水面が上昇しない場合の対処方法を知っている。 水位制御器の外筒が確実に押し下げられていない場合があります。また、畦畔漏水なども考えられます。排水路沿いを歩いて原因を特定して下さい。
8 土壌が著しく湿っているときに耕起等の作業を行ってはいけないことを知っている。 補助孔は過度の代かきや雨後などで土壌水分率が高いときに耕起や均平作業を行うと不透水層が形成されて、期待した機能を損失します。
9 圃場の特性(土質、排水性、漏水、減水深など)を知っている。 各圃場の位置や土壌、下層土、圃場整備時の切土と盛土、圃場の栽培履歴など様々な要因によって、排水性や透水性、用水の必要量などが異なります。地域の農業改良普及センターなどで確認して下さい。
10 作物によって発芽揃いまでの水管理方法が異なることを知っている。 発芽の促進や苗立を揃えるために、一時的に地下水位を田面近くまで上げる方法があります。作物によって、設定水位や期間が異なることから、研究機関や農業改良普及員などと相談して対応して下さい。
11 幹線及び支線パイプ、補助孔の設置位置や埋設深、構造を知っている。 幹線パイプは給水桝と水位制御器を結んだ線上に位置します。埋設深はパイプの上で-50cmで直径10cmのポリコルゲート製の有孔管です。支線パイプは一般には幹線パイプと並行して10m離れた位置にあり、埋設深はパイプの上で-50cm、5cmの有孔管です。

 

No 項目 知らない場合の対処法
12 トラクタで弾丸暗渠を引く場合に、圃場や位置によって方向があることを知っている。 幹線パイプや支線パイプ、接続パイプの方向線に直交して引いて下さい。
13 水位管理器などが凍結で破損するのを防止する方法を知っている。 用水バルブ及び水位管理器のコックは冬期間は開けてください。特に水位管理器のコックは中に水が入っているため凍結すれば破損します。
14 水位制御器による水位の設定方法を知っている。 水位制御器は外筒の中に内筒がある二重構造です。内筒はスライド管となっており、田面から-30cm~+20cmの範囲で設定できます。
15 あらかじめ定めた水位に合わせて、給水栓からの取水量を自動的に管理する方法を知っている。 排水側の「水位制御器」のみの水位管理では、設定水位を越えた取水があれば、用水は排水路に垂れ流される(無効放流、掛け流し潅漑)ことになり、用水の無駄が発生します。「水位管理器」は設定水位を下回れば取水、上回れば取水停止を自動的に行います。
16 落水枡(ふかみず君)の使い方を知っている。 畑作時に大雨などによる湛水を防止する必要がある際には、内筒を一番下まで下げます。一方、水稲栽培時には必要とする水位に内筒の高さを合わせます。
17 畑作時において、台風や大雨で圃場が湛水した場合の水管理方法を知っている。 落水枡を田面下まで下げて下さい。また、水位制御器を一時的に開放(内筒を引き上げる)し、湛水がなくなった段階で目標水位に設定して下さい。
18 長期間降雨がない場合の水管理方法を知っている。 水位制御器を開放(内筒を引き上げる)にしない限り、地下水位が急速に低下することはありません。水位制御器の内筒の高さを目標とする水位に設定した状態にしておいて下さい。
19 トラクタによる弾丸暗渠とベストドレーンによる弾丸暗渠の効果の違いを知っている。 トラクタは作業機を上げる油圧は付いていますが下げる油圧はないため、サブソイラーで土に食い込ませその後ろに弾丸を取り付けて作業を行います。そのため弾丸周囲は崩れおり壊れ易くなっています。
20 給水バルブからの水漏れがある場合の対処方法を知っている。 用水中に混入した草や落ち葉、ワラ、魚などがバルブに詰まり正常に機能しなくなる場合があります。用水吐出量の減少を確認した際には止水弁部をチェックして必要に応じて清掃して下さい。
21 暗渠排水の目的を知っている。 ①ほ場の水管理を容易にし、作物の生育環境を良好にする。
②地耐力を強化し、農業機械の作業性を向上させる。
③湿田の乾田化を可能とし、田畑輪換により食料自給率の向上を図る。
22 暗渠排水が効きにくい水田があることを知っている。 粘質土壌などは、暗渠の効果発現までに相当の時間を必要とする場合があります。また、泥炭土壌などは、暗渠設置後3~4年すると効きが悪くなる場合があります。

※詳しくは九州パディ研究所(092-924-1665)までお問い合わせください。